宮本妥子(みやもと やすこ)

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パーカッション、マリンバ奏者

宮本妥子

クラシック、現代音楽の領域にとどまらず、コンテンポラリーダンス、邦楽器、ジャズドラムなど他の芸術との融合を展開し、独創的な世界観を生み出し続ける気鋭のパーカッション・マリンバ奏者、宮本妥子。

同志社女子大学学芸学部音楽学科打楽器専攻、ならびに同大学音楽学会《頌啓会》特別専修課程修了。1996年にはドイツ国立フライブルク音楽大学大学院を、1999年には同ソリスト科を共に首席最優秀にて卒業。同年、ドイツ国家演奏家資格(Konzertexamen)を取得。

滝厚美、北川皎、上埜孝、中谷満、山口恭範、吉原すみれ、ベルンハルト・ヴルフ、ロバート・ヴァン・サイス、宮崎泰二郎の諸氏に師事。

1995年ルクセンブルク国際マリンバコンクール・ファイナリスト入賞、1997年には第46回ミュンへンARD国際音楽コンクール打楽器部門・ファイナリスト、また、1998年にはライプツィヒで行われた現代音楽アンサンブルコンクール第1位、滋賀県文化奨励賞受賞など、ドイツ在学時より数々の受賞を重ね、2001年には平成12年度平和堂財団芸術奨励賞を受賞。世界各国での音楽活動を認められ、ドイツより芸術家ビザを取得。

演奏活動は、日本とヨーロッパを拠点に各国に及ぶ。ヨーロッパでは、アンサンブル・カリス(チューリッヒ)、YMMO即興アンサンブル(フライブルク)に所属。また、アンサンブル・ルシェルシュ(フライブルク)、ムジークファブリック(ケルン)、シュトゥットガルト放送交響楽団、バーゼル交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー等多数客演。

1997年アメリカのロチェスターにて招待公演。1998年には、宮本妥子の超絶的演奏を想定してミシェル・ジャレルから献呈された、マルチ・パーカッション独奏と管弦楽のための協奏曲《Un long fracas somptueux de rapide celeste...》をベルンハルト・ヴルフ指揮バーゼル交響楽団と世界初演(仏アンリ・ルモワーヌ社から出版)、1999年には、同協奏曲を岩城宏之指揮びわこ祝祭管弦楽団と日本初演、大きな話題となる。同年ピエール・ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポラン・アカデミーのメンバーとして、パリにて演奏。マリアーノ・エトキンへの委嘱新作初演を含むソロリサイタルをブエノスアイレスで開催、「二度と忘れることができない演奏」(クラリン紙)と絶賛を博す。2000年開催の国際万博においては、エクアドル館より招待され、オラフ・ジョッペ(ストラスブール・パーカッション・グループ)と共演。ウクライナ現代音楽祭にソロイストとして招かれ、キエフ室内管弦楽団と共演。2002年、2004年とオーストリア・フェルドキルヒ音楽祭にて招待演奏など、フリーの打楽器奏者として、欧米各地の高い評価を得る。2005年からは、本格的に活動拠点をドイツから日本に移す。

[アウトリーチ] 2004年より財団法人地域創造の公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト、2006年より協力アーティストとなる。また、平和堂財団協賛「音の扉プロジェクト」メンバーとしても地元の学校公演活動を行い、アウトリーチ活動は、220公演以上(2020年10月現在)に及ぶ。

[ワンコインコンサート] 2006年、兵庫県立芸術文化センター大ホールにてワンコインコンサート「宮本妥子パーカッション&マリンバコンサート」が年間アンケート支持率№1アーティストに選ばれ、翌年同ホールにてソロリサイタルを開催。この他にも2011年りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館コンサートホール、2013年幸田町民会館つばきホールなどその卓越したテクニックはもとより、心を揺さぶる歌心は各地で大好評を博す。

[育成プロデュース]  2009年びわこミュージックハーベストアカデミーのコーディネーターとして、しが県民芸術創造館にて打楽器部門アカデミーを開催。2010年からは、毎年新進芸術家育成プログラム「湖鼓から未来へ」プロデューサーとして、滋賀県栗東芸術文化会館さきらにて開催。音楽活動を通じて地域の若手芸術家の育成、文化振興を積極的に推進している。また、2016年には、6年に渡り自身がプロデュースした「湖鼓から未来へ」歴代出演者によるガラ・コンサートを開催し、「宮本妥子と打楽器アンサンブル“湖鼓”」を結成。演奏はもとより類い稀な構成や演出で観客を魅了し、プロデューサーとしての才能も益々世に広まることとなる。

[現代音楽] 2010年より現代音楽集団「クラムジカ」主催のコンサートに数々出演。2012年日本現代音楽協会80周年記念事業・宮本妥子パーカッションリサイタル「閾-しきいを越えて」では、宮本のために作曲された6曲の作品が世界初演、大成功を収めた。また、2015年には、バシェ音響彫刻修復プロジェクト関連企画「バシェ音響彫刻コンサート」に出演し、武満徹作曲『四季』を演奏。

[創造型こども音楽プログラム] 2012年より、ラ・フォル・ジュルネびわ湖、ルシオール・アートキッズフェスティバルでは「創造型こども音楽プログラム」などの子ども向けプログラムの舞台プロデュースを行う。また、2015年には「甲賀市立雲井小学校110周年記念事業」にて音楽ワークショップの構成・プロデュースを行い、その企画性とクオリティの高さから話題と称賛を呼ぶ。

[全国各地での演奏] ガラ・コンサート、復興祈念コンサート、サロンコンサート、ランチタイムコンサートなど各地で公演を行う。これまでの活躍が評価され、2016年あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール主催のファミリーコンサートに出演し、幅広い世代から好評を得る。また、2017年にピアニスト塩見亮氏とのユニット「Duo-Schlügelzeug(デュオ・シュリューゲルツォイク)」を結成するなど、常に新しい展開を追い求める姿は、各ホールの注目を集め、今なお全国展開し続けている。

[室内楽] 室内楽では、 2008年京都府民ホールアルティの音楽部門アーティストとして「アルティ合奏団」に加わる。中谷満と打楽器アンサンブル「シュレーゲル」メンバー。

[CD制作] 2008年にはマリンバ・ソロアルバム「Dear」、2010年にはマリンバ・打楽器デュオと語りによる音楽物語「空想~千夜一夜」をリリース。

この他、現在滋賀県立石山高等学校音楽科、相愛大学音楽学部・同大学院非常勤講師、同志社女子大学嘱託講師として、後進の指導に取り組み教育者としても高い評価を得ている。また、2010年より滋賀県文化審議委員を6年間、次世代育成部会委員を4年間務め、地域の文化振興に寄与するなど、演奏家にとどまらず、幅広い領域で活動をしている。 パール・アダムスモニターアーティスト。